ラベンダーの精油

このページでは、ラベンダー「精油」あるいは「エッセンシャルオイル」という不思議な物質について、研究家のことばを交えながらお伝えしたいと思います。そもそも化学的に結末だけを伝えるならば、単純な言葉で片付いてしまいます。

 

 

精油とは、「天然の化学物質だけで構成された有機化合物」である。

 

...全く意味不明なので、詳しく説明したいと思います。

 

刈り取ったラベンダーの花は、蒸留器で蒸留されます。
刈り取ったラベンダーの花は、蒸留器で蒸留されます。

 

 

そもそも、「精油」とは、ごま油やオリーブ油のような「油脂」ではありません。その正体は、植物の分泌物です。それを、蒸留することによって高度に濃縮した液体。ラベンダーでは200倍以上の濃縮率とも言われています。それが「精油」および「エッセンシャルオイル」と呼ばれるものです。

 

 

 

精油には、特徴があります。

1.芳香物質を持つ(それ自体が香りを放ちます)

2.親油性が高い(油とよく混ざります

3.疎水性(水とは混じりません

 

 

 

植物における「精油」の働きは様々なものがあります。例えば、精油中に含まれる香り成分によって、昆虫などに受粉の運搬を促す。あるいは、香りの忌避効果から害虫などを遠ざけて植物を守るなど。つまり、植物にとって精油はなくてはならない存在です。そういった意味で「エッセンシャル=必要不可欠な」と呼びます。

 

 

ブルーダルジャンの畑 ラベンダーとミツバチ
ブルーダルジャンの畑 ラベンダーとミツバチ

 

精油を製造することは、錬金術にも例えられるほど高度で洗練された技術と確かな植物に対する知識と経験が必要な「芸術」です。

 

 

 

ブルーダルジャンのヴェロニクさんはこう言います。

うちのラベンダー精油は600種類の成分で構成されています。検出されないものも含めてね。これが何より天然のものという証拠でしょう。」

 

 

 

ラベンダー精油は、目に見えるだけで数百種類の天然成分で構成されています。主な芳香成分だけでも十数種類あります。それを完璧に植物から取り出すには、信じられないような緻密な技術が必要なのです。そして、そのためにはゆっくりと穏和に蒸留しなければいけないのです。

 

蒸留の工程を表した図
蒸留の工程を表した図

 

 

その精油を生み出す工程は「水蒸気蒸留法」と呼ばれています。

 

 

 

その原理自体は、驚くほどシンプルなものです。

・炉に火をおこします。

・釜に水を入れ、その上に網を敷きます。

・網の上に、ラベンダーを詰め込みます。

・しっかりと蓋を閉め、100度の水蒸気でゆっくりとラベンダーを蒸します。

・「精油」と「水蒸気」は一体となって、冷却路(図の右側)へ流れます。

・冷やされると、「精油」と「水」は分離します。

・精油のみを取り出します。

・水は「ほんの微かに芳香物質のある水」として「フローラルウォーター」になります。

 

 

 

 この中世から続く伝統的な方法で丁寧に蒸留する事で、美しいハーモニーを作る事ができるのです。

 

 

 

研究家ユーネマンとティスランドはこう述べています。

「純粋なラベンダー油は、例えばよく編成された楽器による音楽が耳を満足させるのと同じように、私たちの鼻を満足させるはずです。それは、それぞれ違ったキーのべつべつの楽器、しかもそれが混然一体となったものでパラフレーズされた美しい調子の主旋律からなっているはずです。これがすなわち、ことばの真の意味でのコンポジションです。」(注:コンポジション=構成、作曲などの意)これを生み出すことは並大抵のことではないはずです。。

 

 

 

イギリスの研究家ローレスは真正ラベンダーの香りについてこう述べています。

「真正ラベンダーの高品質の純粋な精油は、淡黄色のサラサラした液体で、嗅ぐとツンときますが、すぐにそれは飛散してしまい、あとにソフトでフレッシュな、フローラルな香調の長続きする芳香を残すものでなくてはいけません。」